はいどうもタコギターでございます

をつくりたいという志を眠らせたまま幾星霜
ただバカだけを実践してまいりましたが
実に二十数年ぶりの自作ギターと呼べるものをご紹介できる運びとなりましたことを(以下略
はいこちら
二十数年前某所ゴミ捨て場で拾った、テレキャスターのつくりかけですね
前PUザグリからのドリル穴がボディ裏まで貫通していたり
ネックポケットザグリの縁にエポキシパテ盛って更に削った跡があったりなかなかワイルドです
更にこの後ろPUザグリにご注目。
テレキャスター用後ろPUをダブルコイルにしようという目論見でしょうか
前ビルダーさんとしては加工の失敗よりもこのダブルコイル計画のワイルドロードっぷりに自ら恐れをなして踵を返してしまったのではないかと
はいこちら
18年10月 萬屋(盛岡市随一のオタショップかもしれない)でジャンク二千円でした
先ほどのテリーボディをギターとして活かしてやろうと考えたきっかけがこの出会いでした
ゴミ捨て場テリーにジャンクネックを移植しようという試みです
それにしてもこれまたワイルドなヘッド形状ですね
弦先がひろがりすぎてストリングリテイナーが二個必要になってます
自由です
「フレイバー」って書いてありますかこのヘッド
どっかで別ブランドのそっくりギターを時々みかけるような気もします
そのへんの背景にもワイルドなものが感じられますね
(追記)
「ジャクソンヘッド」とよばれるものがあったことをおもいだしまして
つまり云うほど自由でもなかったわけですが別の意味で自由です(以上追記)
ともあれネックはまあまあまっすぐのようです。きっと素敵なワイルドギターができるさ!
ドバッドバッといこうぜ!
ネックはまあまあまっすぐ、と申しましたがどう見ても本起きのような症状がみられます
定規をあてれば一目瞭然、ネックはまあまあまっすぐ、ボディに本起きを来たしております
さらにネックをはずしたポケットの写真がこれです・・一体なにがあったの・・・・
そしてこちら
ナットを貼り付けるための平面に事欠いて接着剤ぶあつく充填しているようです
無事ナットをはがせるかどうか不安です
あとネックを叩くとカタカタ音が出ることに気づきました
どうやらトラスロッドの埋めが甘いようです
アジャストは効くようですし、出音に悪影響のないことも普通にあるのであまり気にしないことにします
ニコッニコッと笑って大丈夫!
18年11月 毒気をぬかれてしまうようなことばかりですけどわたしは元気です
負けてばかりもおれないのでワイルドでいきます
「バカぢゃね」と妻ちゃんが云ってくれました
がんばります
前PUザグリは使わないので
まずは長方形にザグリを拡大して
18年12月 埋めます
埋め木はたぶん楢かなんかの類です
「スルッと入るぐらい、でも隙間のないぐらい」が埋め木の理想だそうで、接着剤つけるとクランプで押し込まないと入らなくなります
トリマーであたらしいネックポケットを掘りました
なんだかかなりいびつになってしまったので木片はりつけてやりなおしました
もう前ビルダーのワイルドっぷりにつっこめません
お面だーい一本!
「あれー、おれそんなリッケンバッカー好きだったっけ」
外形をおおまかに削りだしたときそんなことおもいました
とっときのマグロ材です
バカギターにとっときのマグロ持ち出すあたりがつまりバカギターたるのゆえんかもしれません
ところでギブソンスタイルのバーブリッヂにはちょっと問題がありまして
大体、ブリッヂに対して弦が直角になったとき望ましい弦間隔が得られるようにデザインされているわけですね(イラストa)
しかしバーブリッヂというのは斜めに設置されるものです(イラストc)
これではブリッヂ設計上の理想より弦間隔はやや狭くなるし、
もっと問題なのは弦たち全体が向かって右寄りに配置されてしまうことです
バダスとか、もうサドルが一個づつ独立して動かせるんだから斜め配置なんかしなくてもいいのにーなんておもいますけど
そもそもがギブソンの互換部品だから仕方がないのかなー
それにしてもこの「右寄り問題」の解決はありそうなもんだけど
ポールリードスミスのバーブリッヂはギブソンほど大きく傾いた設置にはなっていないように見えます
サドル機能にあたるブリッヂ稜線での弦長調整が大きくとられているからですかね
これは「右寄り問題」の低減になっていそうです
(追記)先日楽器屋さんに展示されていたバーブリッヂ搭載ギターたちをジロジロながめてきたところでは
「右寄り問題」は起きていないようです
まあポンコツ目で見てきただけなのだけど弾きごこちに影響するような偏りはどうもなさげ
これは
a.問題はそもそもごく小さいので問題ない
b.問題は対策されている(たとえば、ブリッヂがちょっぴり左寄りに取り付けられている、とか?)
が考えられ、aが正解であるならば昔02の経験した右寄り問題はむしろ02のデザインのほうに問題があったということになりそげです
さて現物がないので検証しがたいが(以上追記)
19年1月 そんなことを考えながら斯様に傾いた架台に問題のマグロ材のっけてボール盤にあてがうわけです
ボール盤の必要な作業はまとめて片付けてしまいましょう
具体的にはチューニングキー穴、ボディのネック取り付けネジ穴、ボディのブリッヂ取り付け穴、ブリッヂのブリッヂ取り付け穴、弦通し穴です
ボール盤は
肴町ホームセンターの貸し工作室KITENEでお借りしました
工作室の使用は一時間600円です19年2月 カエル、カエル、カエルのおへそに花生けてー
それでもだめなら!ダイナマイトほい!
意外にすんなりナットは外れてくれました
しかしやっぱり、ヘッド面の塗装を擦り落とすとナット接着面と呼ぶにはあまりにはかない面積がのこるばかり
まあこんなのはナイフでちょっと削りこめば済むのですが
指板接着面よりもナット接着面が低くなるだけです
それにしてもこの指板表面のカーブのワイルドなこと
ナットもとりつけて、もうギターとしてのプロポーションをあらわしております
感無量です
なんだかたくさんある小さな穴を埋めます
主に美観の問題です
19年3月 ボディ形状も追い込みます
素人くさい凝り様ですね
19年4月 うむ
フレットすりあわせの上さっさと塗装に入ってしまいます
赤ラッカーをシンナーで薄めて生地着色しました
クリアカラーのラッカーというものが見つからなかったのです
ロゴはスクリーンプリントです
文字の縁がジャギジャギだったりなんだか布目が出てたりするのは
版を左右逆転して切るのを忘れたせいなのでたいしたことではありません
とろけた跡はプリントに使った絵の具がラッカーに弱かったからです
プリント後にラッカー塗るときは何度か薄く塗り重ねてゆくこと
ちぃおぼえたしあんまり気にしない
ラッカーの垂れ跡もあるし気泡跡もあるけどもうほとんどオレ用ワイルド仕上げのつもりになってるので気にしません
サンディングシーラーなんかすっとばしてうすくトップコートしてしまいます
このへんの着色ムラ具合なんか萌えだとおもうんですけど
感無量です
さてチューナーつけて弦張ってみると「ギターらしさ」も格段あがるものです
ワイルドスカーフェイスも意外なほどちんまりキュートにまとまってしまいました
ぐはははは
電気系もとりつけてまずはギターになりました
コントロールカバーは銅版切り出してサンポールで表面荒らしたもの
全面緑青になってくれればもっとよかったんですが
スケールは648ミリ
フェンダーのレギュラースケールとおなじなんですが
テールを短くとったのでこれでzo-3よりも全長は短いのです
アジャストカバーもつきました
非の打ち所のないハンサムとはいきませんが大変かわいいギターになりました
バカギターとしてまずは満足です
ここからはアラをつぶしてどれだけフツウによいギターとして調教できるか
具体的にはビビリ音の原因究明と対策ですかね
19年5月 雫石軽トラ市のとなりで開催されたガラクタ骨董市に出展しましたが
さてギブソンスタイルのバーブリッヂにはちょっと問題がありまして
そうそう、昔、初めて02が自分でデザインしたギターもバーブリッヂ搭載だったんですけど
シンプルなバーブリッヂと安売りしてたバダスとを何度も載せ替えて弾き比べてたんですよね
シンプルブリッヂのほうで強く弾くときりきりしたノイズが聞こえることがあって
それがなぜか判らなかったのです
シンプルブリッヂのプロフィールはなだらかな曲線でできたそれ自体が巨大なサドル、
であることがどうやら原因らしい
サドルに長く横たわって押し付けられた弦は、面圧の低さにより、
強く弾かれたとき横ブレを起こしやすかったのではなかったか
バダスのようにとんがったサドルの先っちょに高い面圧で弦を押し付けてみたらあるいはビビリも低減するのではないか
そう考えると、ギブソンのバーブリッヂでも後期にはあまり美しくない稜線がつけられているものがあること
あるいはポールリードスミスのように弦溝をしっかりほりこんで、しかも稜線より前は完全に弦を開放する形のものがあること
など納得いくものがあります
これでどうだ
ドンピシャです
ビビリは随分おとなしくなって、高音弦の音も太く伸びるようになりました
ばんざーい
妻ちゃんも弾いてくれました
ボリュームノブ、こっちのが似合いますね
アッシュボディ、メイプルネック、テリーPUとテリーな要素がそろってますが
「テリーってこんな音よね」って音ではありませんね
そもエレクトリックギターに期待されるような、ピュアで押しの強い音ではあまりありません
ゴリゴリ重低音やキリキリの高音には乏しくて、
ふんわりやさしい倍音に富む感じです
弾き語りには似合うかも
これが黒檀ブリッヂの効果でしょうか
金属ブリッヂと載せ替えて比べてみたいものです
バカギターとしてはダブルコイル計画を押し通してみたいもの
テリーの太めPUではこのザグリに収まらなそうですから
位相の合うストラト後ろコイルが二個入手できたら検討したい
それでこそ前ビルダーのおバカに敬意を示しつつ越ええたことにもなりましょう
お金に余裕ができたらシールディングも進めたいところ
しかし盛岡って東京に比べるとまるでノイズがすくないのであまりやりがい感じないかもしれないw
線路の近くだったりもっと町のそばだったりしたら違うのでしょうけど
兄のタルボと弾き比べてみました
兄のタルボはタルボといってもアッシュボディのコピー品で、
さらにメイプルネックにテリー用PU、ウィルキンソンのテリー用ブリッヂと
まあオリジナルのテリーとは違ったところもちょこちょこありますが
楽器としての要素はまさにテレキャス
音も「テリーいいよね」的な音といえそうです
比べてみて、今回の赤いギターについては、まあ先に書いたとおりの印象を強化されたかんじです
ひとりでローコードばかり弾いてる02には向いてるとおもいます
こんなの好きなヒトも世の中に結構いるとおもうのだけど
妻ちゃんがヴィデオ撮ってくれました
三分半ぐらい、演奏のヘタッピなのには目をつぶりましょう
https://youtu.be/-xsEbJmQh1Aこちらは対照としてタルボ弾いてみたところ
随分ちがった音です
https://youtu.be/UJqGxxcolsM